「中年の危機」「第二の思春期」とも呼ばれているミッドライフクライシスという言葉をご存知でしょうか。
ミッドライフクライシスとは、不安感・焦燥感・葛藤・無感動・極端な思考などに陥る心理的な現象のことです。このストレスからか、体重の増減・原因不明の痛みのような身体的な影響が出る人もいるようです。
どういった人がこの状態になってしまうのか、ただ我慢して乗り切るしかないのか、ミッドライフクラシスについて掘り下げていきたいと思います。
ミッドライフクライシスの原因
8割以上の人がミッドライフクライシスの状態に陥ると言われていますが、いったい何故こんな状態になってしまうのでしょうか。
中年期は人生の折り返し地点とも言えます。これまでの自分の人生を振り返るようなきっかけがそこかしこに転がっていて、それが目につきやすくなる時期なのです。
キャリアに満足できていない、結婚をしていない、子供が大きくなってきてお金がより必要、親の介護問題、体型・白髪・薄毛・肌トラブルのような見た目の変化、体力や筋力の低下・・・こんなはずじゃなかったと、周りや自分が思い描いていた未来と比べてより落ち込む場合もあると思います。
例を挙げればきりがありません。1つの大きな要因があるというよりは、様々な要因が絡み合って起こる現象と言えるでしょう。
ミッドライフクライシスが起こりやすい年齢は?
原因としてあげられるような環境・身体の変化が免れない40代以降に起こりやすいと言われています。早ければ35歳前後から症状が出てくる人もいるようです。また、中年を過ぎた60代以降であれば安心かと言えばそうでもなく、70歳くらいまではミッドライフクライシスの危険と隣り合わせなのです。
症状の出やすさに男女差はありません。ただ、原因として、男性はキャリアや自己評価が要因になりやすく、女性は身体的な変化や人間関係の変化が原因となりやすいという説もあります。
肩書や状態に関係なく誰でも起こりえることであり、気持ちや気合の問題ではないことをまずは理解しておいてほしいと思います。
放置が危険な理由
ミッドライフクライシスの症状が出た時、誰でもあり得ることだと楽観視して放置するのは危険です。
自分1人でどうにかなることが原因でないケースも多く、女性の場合は更年期障害が出てくる時期と重なり、ダブルで辛くなる可能性があります。
自分自身はもちろん、身近な人にもこの兆候が見られた場合は注意しておきましょう。人によっては、急に仕事を辞めてしまったり、パートナー意外との恋愛関係を求めてしまったり、突然帰ってこなくなったりといった突発的な行動に出てしまうかもしれません。
ミッドライフクライシスの症状が出始めた時は、症状から目を背けず、自分なりに向き合い、時にはカウンセリングなど人の手を借りる決断も必要かもしれません。
鬱病との違い
原因が本人の根性ややる気は関係なく誰でも起こりえることと、気分・やる気・自己価値観の低下、焦燥感といった症状だけを見ると、鬱病とも似ているような気がします。
この2つの明確な違いは、病気か否かです。ミッドライフクライシスは、思春期のようにその時期固有の症状であり、心理的な過渡期と言えるような状態です。主に40~50代で多く発生します。
鬱病は年齢に関係なく発症します。脳の機能がトラブルを起こして精神的な障害が長期間にわたり持続して日常生活に支障をきたしてしまう病気です。鬱病の場合は、早めにカウンセラーなどへ相談してみましょう。
ミッドライフクライシスへの対策5選
症状が酷い場合はカウンセリングといった対応策も必要になってくるかもしれませんが、症状が出始めで重くない場合は次のような方法が役立つかもしれません。
1.健康を維持する
身体的な不調は精神的な不調にも関係します。栄養バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動を心がけましょう。よく聞く話ですが、よく聞くということは万人に大切なことなのです。
2.すぐにどうにかしようとしない
気持ちのモヤモヤが、ちょっとしたことですぐに晴れてくれるならこんなに悩むわけがありません。今の状態を受け入れ、頑張り過ぎず、頭で考えるよりも出来ることを1つずつやっていくと、気持ちは後からついてきます。
3.新しい趣味を作ったり、挑戦をしてみる
40代以降になると「新しいこと」が減ってきて無感動になりがちです。没頭できるようなことでなくても大丈夫。初めての体験をするだけでも脳に刺激が入って気持ちが変わります。
4.他人と比べず「ある」に目を向ける
体力・仕事・お金・家族。学生の頃は大差がなかったのに、周りとの差が大きく見えがちなのもこの時期です。隣の芝生は青く見えます。他人と比べることに意味もありません。まずは自分の「ある」ものに目を向けましょう。住む家はありますか?水は出ますか?お風呂に入れますか?今日食べるものはありますか?布団はありますか?これだけでも当たり前ではなく、とても幸せだと気付いてください。
5.コミュニケーションを大切にする
家族や友人、信頼できる人とのコミュニケーションを意識して取るようにしましょう。深い話をしなくても、交流するだけで気持ちが変わります。また、不安を共有できれば心の負担が軽減できるかもしれません。もし、身近な人に話しにくいのなら、カウンセリングなどの利用も検討しましょう。プライベートに関わり合いの無い第三者には話しやすいと思います。
まとめ
ミッドライフクライシスは誰でも起こりえます。今日は大丈夫でも明日は気持ちが落ち込むかもしれません。自分は問題ないけれど、身近な人が苦しんでいるかもしれません。
「どうにかしよう」と力まず、自分の気持ち・大切な人の気持ちに寄り添い、受け入れる所から始めてみましょう。